爽やかな初夏を迎え会員の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素は、観音寺信用金庫の業務運営に格別のご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げますと共に、ここに謹んで第105期(令和5年度)の事業概要並びに決算の状況につきましてご報告申し上げます。
国内外情勢
さて、昨年の国内経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動制限が緩和され、人の動きが活発化するにつけ、全体として持ち直しの動きがみられました。
他方、世界に目を向けると、ロシアによるウクライナ侵攻などを契機として原材料価格が国際的に上昇する中、欧米各国の中央銀行が急激なインフレを抑制するために金融引締めの動きを強めており、世界経済の動向が日本の金融・経済に与える影響が懸念される状況になりました。
また、わが国の人口減少や少子高齢化により、個人消費の低迷、中小企業の人手不足や経営者の高齢化などの構造的な問題が深刻化しているほか、地政学的なリスクの高まりや、大規模な自然災害への対応も求められました。
金融面
金融面を見ると、コロナ禍の影響を受けた中小企業などに対し、適切な金融支援に引き続き取り組んでいくとともに、ポストコロナに向けた中小企業などのビジネスモデルの再構築に向けた経営改善・事業再生・事業転換支援等を強力に取り組み、お客様とのリレーションシップを追求し、地域に根差した協同組織金融機関として地域が抱える課題解決に尽力いたしました。
業績面
業績面では預金積金の期末残高は3,737億21百万円、前期比173億97百万円、4.88%の増加となりました。貸出金は課題解決型金融による企業支援を積極的に取組んだことにより、期末残高は1,751億46百万円、前期比53億14百万円、3.12%の増加となりました。また、保有する有価証券残高は、2,290億37百万円、前期比239億74百万円、11.69%の増加となりました。
収益面
収益面では経常収益56億61百万円、前期比9億3百万円、18.98%の増収に、業務収益54億65百万円、前期比8億91百万円、19.49%の増収に、資金運用収益50億96百万円、前期比8億97百万円、21.36%の増収に、経常費用28億59百万円、前期比5億88百万円、25.89%の増加、業務費用19億66百万円、前期比1億65百万円、7.74%の減少となり結果、当期純利益は20億44百万円、前期比2億33百万円、12.92%の増益となりました。
金融機関の健全性を示す自己資本比率は21.08%と強固な財務基盤を維持いたしております。
終わりに
令和6年度も収益環境は厳しい状況が予想されますが、金融機関に求められる事案は多岐にわたっております。もとより当金庫は地域金融機関として、その創業以来、豊かで持続可能な地域社会づくりを目指し、長期的な視野のもとで中小企業の育成と地域経済の発展に取組んでまいりました。協同組織金融機関としての社会的使命を果たし、地域やお客さまから必要とされ続けるために環境の変化や経営課題に向き合いながら「地域のために存在し、地域を守る」という確固たる信念のもと、より一層磨きをかけて地域と自らの持続可能性を高めるとともに、とりわけ地域活性化の推進には積極的に取組み、地域における課題解決力の強化に努める所存であります。
引続き難しい経営環境にありますが、信用金庫としての使命を果たすべく役職員一同鋭意努力してまいる所存でございます。今後ともより一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和6年6月
理事長 須田 雅夫