「リスク」というと、普通は「危険」という意味に捉えられますが、投資の場合は「投資に対するリターンが確定していないこと」という意味になります。
価格の変動が大きい金融商品に投資すれば、大きなリターンが期待できますが、そのリターンが大きく変動する可能性もあるため、リスクも大きくなるわけです。
投資を考えるときには、資金の性格を考慮して、リスクとリターンのバランスを判断しましょう。
注意点
リスク(1)価格変動
投資信託に組み入れた株式の価格は企業の業績や景気、経済状況の諸要因の影響により変動します。
株式を中心に投資する投資信託の中でも店頭株などを中心に投資する投資信託は、高いリターンが期待できる反面、リスクも高くなります。
リスク(2)金利変動
通常、金利が上がる場合には債券価格が下落し、反対に金利が下がった場合は債券価格が上昇します。
債券投資の際、金利が上がった場合は、投資信託に組み入れている債券価格が値下がりし、元本割れを起こす可能性が生じ、投資家は損失を被ります。
リスク(3)流動性
有価証券を売買する際に、需給動向により有価証券を希望する時期、価格で売買できなくなるリスクをいいます。
リスク(4)信用
投資信託は、一般的に安全性を考慮して運用しますが、同じ条件でも倒産などの恐れが少ない高格付けの債券ほど利回りは低くなりますし、低格付けの債券は高い利回りで取引されます。
企業が倒産などいたしますと、倒産の理由によって予め決められた利息や償還金が支払われなくなり、投資家は損失を被ります。
リスク(5)カントリーリスク
海外の有価証券に投資する場合、投資する国の政治・経済情勢の悪化、外国為替規制、資本規制、制度変更等による影響を受けます。
リスク(6)為替
外国の有価証券への投資には、為替リスクがあります。
満期や解約時に円換算の際、為替相場の変動で、円高のときは為替差損を生じて、投資家は損失を被ります。
投資信託では、為替リスクを回避するタイプと、回避しないタイプがあります。
リスク(7)不動産投資信託
不動産を実質的な投資対象としているために、他の金融商品と異なる固有のリスクとして、火災・自然災害などの影響や不動産にかかる法制度の変更により不動産の価値が低下するリスクがあります。
ワンポイントアドバイス
1.いくつかの投資信託(ファンド)をバランスよく購入・・・資産分散
投資信託自身が、多種類の株式や債券、不動産などに分散投資していますが、購入する投資信託(ファンド)を分散することによって、さらにリスクを抑えることが可能となります。
その場合、投資対象による分類を参考にし、投資対象が似たものより異なった投資信託(ファンド)同士を組み合わせた方がより効果的です。
2.時間を分散して購入・・・時間分散
一度にすべての資金を投入して購入するのではなく、同じ投資信託(ファンド)でも時期をずらして購入することにより、購入価格を平準化することができます。
3.中長期保有
投資信託(ファンド)の価格変動は、投資期間が長期になるほどならされてきます。比較的長期間運用可能な資金で、長期保有することをおすすめします。